今回は自転車の種類についてです。

1.クロスバイク

当初は「ロードバイクとMTBの良いとこ取り」なんて謳い文句がありましたけど、嘘です。クロスバイクでオフロードは走れないし、ロードバイクほど楽に遠くまで走れません。700C(CはcmのC)のホイール(650Cの物もある)が付いたフラットハンドルの一般的なスポーツ車と考えれば良いでしょう。スポーツ車の入門としては最適だと思います。

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良い点として、

  • フラットハンドルなので、初心者でも乗りやすい。ブレーキも握りやすいし、ギアチェンジもわかりやすい。
  • ママチャリよりははるかに軽快に走れる。
  • ロードバイクほど気を使わずに乗れる。サイドスタンドがあってもおかしくない。
  • 太めのタイヤと長めのホイールベースのため乗り心地が良い。
  • ギア比がワイドなので、初心者でも坂道が安心。
悪い点として、
  • フラットハンドルのため、ポジションが固定される。
  • ロードバイクほど長い距離を楽に走れない(基本性能が違うので仕方ない)。
  • 重量はそれなりにある。

選択の際の注意点として、「ルック車」を選ばない」というこことがあります。「ルック車」は見た目はスポーツ車で価格も安く、それなりに走るのですが、

  • ホイールがクイックリリースでない。そのため、パンクの修理が難しいし、輪行ができない。
  • ドリンクホルダーを取り付けられない(水分補給はサイクリングの際は重要)。
  • ブレーキ等に今一つの部品が使われており、安全面で問題がある。
等の問題点があります。

予算の許す限りで好きなのを買えば良いのですが、選択の基準としては

  • 自分に合ったサイズを選ぶ。サイズは最重要です。
  • フロントフォークはクロモリ(鉄)かカーボン(両者とも振動吸収性に優れる)のものを選ぶ
  • ブレーキはできればシマノ純正が良い(止まることは走ることより重要)。最近はディスクブレーキが付いているものもあるが、機械式のディスクブレーキは雨の時以外はあまりリムブレーキとかわりありません。
  • あまり高いのを買うと、ロードバイクのコンポーネントが付いていて、ギアが重すぎる場合があります。
  • フレームは特に拘りが無ければアルミでOK。カーボン製の高価なクロスバイクを買うのなら、ロードバイクを買った方が良いです。乗り心地を重視するなら、重量は重くなるがクロモリもありです。ハイテン鋼(ママチャリに使われるやつ)は安いけど重いのでやめた方が良いです。
  • とはいえ、それほど重量にこだわる必要はありません。
  • 気に入った色を選ぶのは結構重要。自転車への愛着度が違ってきます。ぶっちゃけ、サイズさえ適正なら色と形だけで選んでも構わないと思います。

2.ミニベロ

所謂小径車(折畳みできるものもあり)。お洒落で、小回りが利くため、街中を走ったり、いろんな所を散策するのには向いています。但し、長距離を走るのにはあまり向いていません。

折畳み自転車は、折り畳むとコンパクトになることから選ぶ人もいます。簡単にコンパクトになるので輪行には向いています。

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ただ、注意点も幾つかあります。
  • 折り畳んでも、重量は変わりません。大事なことだからもう一度言います。折り畳んでも、重量は変わりません。
  • 折り畳んでも、保管の際は意外に場所は取ります。
  • 折畳み機構の分、大きさの割には重量があります。
  • 安物を買うと、車体剛性に問題が出ますし、重いです。
  • 意外に、折り畳みません。
  • 本格的な折畳み自転車はその構造から、結構高価です。
購入のアドバイスとしては、折畳み自転車こそ安物を買うな、です。安物の折畳み自転車は折畳み機構の分重くなりますし、故障の可能性も高くなります。また、16インチ以下のホイールだと地面の荒れに対する衝撃を受けやすいので、簡単なサスペンション機構が付いていた方が良いでしょう。

3.ロードバイク

速く、そして遠くに走るならロードバイクです。逆に言うと、それ以外のことは不得手です。ロードバイクで買い物というのは難しいし(サイドスタンド無いし)、ロードバイクでちょっと用足しに、というのもしたくありません。ロードバイクは高価なので、常に盗難の危機に晒されているといっていいでしょう。目をなるべく離さず、目を離す時は短時間でしっかり鍵をかけることが重要です。

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ロードバイクのドロップハンドルに違和感を持つ方も多いと思いますが、ドロップハンドルの下側を持つことはほとんどありません(下り坂、向かい風、特に力を入れたい時)。普通は、ブレーキブラケットの根元を持ち、リラックスしたい時は上部のフラットな部分を持ちます。こうして必要に応じてポジションを変えられることが、ドロップハンドルの利点なのです。

また、細いタイヤに不安を感じる方もいますが、意外に平気なものです。それでも不安な方は、最近のディスクブレーキ付きのロードバイクには32Cのタイヤが標準で付いている機種もあります。

それと、他のバイク以上にサイズは大事です。ロードバイクは長時間乗ることが多いため、自分の体に合ったポジションが取れないと、非常に苦痛です。ステムやハンドルの交換である程度の調整は出来ますが、一番大事なのはフレームサイズが自分の体に合っていることです。ここには、徹底的に拘るべきです。

ロードバイクの種類ーフレームの素材から

  • アルミ:比較的安価なバイクに用いられています。軽量ではあるが、振動吸収性が悪いとされていましたが、近年、成形技術の向上により形状を工夫することで振動吸収性が良くなってきています。
  • カーボン:比較的高価なバイクに用いられています。軽量で、振動吸収性が優れています。高価なフレームは何が違うかと言うと、剛性の高い高級カーボンを使うことで軽量に仕上げています。
  • クロモリ:クロームモリブデン鋼。重量はありますが、乗り心地の良さと細身のフレームのスタイルの良さからいまだ愛好者はいます。カーボンと比べても、乗り心地は良いです。
  • その他:チタン、木、竹などがあるが、一般的ではありません。いずれも高価です。
まぁ、一般的にはアルミかカーボンです。

ロードバイクの種類ー用途から

  • オールラウンド:ロードレースを中心に、ロングライド、ヒルクライム、サイクリングと何にでも対応できるタイプ。
  • エアロロード:最近の流行。重量は多少あるが、空気抵抗が少ないデザインをしています。どのマシンも同じようなシルエットをしているという話もあります。どちらかと言うと平地が得意。
  • エンデュランス:長距離走行を主眼としたタイプ。乗り心地が良く、太めのタイヤをはくものが多いです。普通のサイクリングにも向いています。
とりあえず三つのタイプに分けてみましたが、このタイプでは絶対出来ない、というジャンルはありません。向き不向きがあるだけです。

コンポーネント

変速機、駆動系、ブレーキを合わせたものをコンポーネントと言います。主なコンポーネントメーカーとしては、シマノ、カンパニョーロ、SRAMがあります。この内、シマノが圧倒的なシェアを持っています。

シマノのコンポーネントの種類としては、

  • CLARIS
  • SORA
  • TIAGRA
  • 105
  • ULTEGRA
  • DURA-ACE
の6種類があります。シマノの分類では、105以上がレース用、それ以下をサイクリング用としています。コンポーネントで何が違うかと言うと、高級なコンポーネントほど重量が軽くなり、精度が上がり、変速スピードが上がり、制動力が上がります。また、変速段数も105以上は11段となります。ULTEGRAとDURA-ACEには電動変速も用意されています。

注意しなければいけないのは、段数が多いほど速く走れると言う訳では無いと言うことです。最小のギア、最大のギアはどのコンポでもあまり差はありません。その間で段数が多いと言うことは、それだけ効率良く走れるということなのです。効率良く走れるギア比を選べることにより、結果的に速く走れることはあるかもしれません。

とにかく安くあげたい、という人以外はTIAGRA以上(出来れば105以上)のコンポーネントをお勧めします。

ここでは細かく触れませんが、カンパニョーロ、SRAMのコンポーネントもそれぞれ特徴があり(例えばコンパニョーロは見た目がセクシーで軽量、SRAMはeTapという無線電動コンポがある等)、好みで選択すれば良いと思います。

ディスクブレーキ

従来、ロードのブレーキはキャリバーブレーキでしたが近年油圧式ディスクブレーキの採用が進んでいます。ディスクブレーキのメリットとしては、

  • ブレーキの操作が軽い
  • ウェットコンディションでも制動力が落ちない
  • 28C以上の太いタイヤを履ける
  • ホイールのリムに力がかからないため、ホイール外周部分は軽量化できる
  • キャリバーブレーキ取り付け台座が不要になることから、フレームのデザインの自由度が増す
一方、デメリットとしては、
  • 重量が増える
  • リムブレーキに比べて高価
  • ホイールの装着がクイックリリース方式からスルーアクスル方式に変わったため、ホイールの着脱に時間がかかる。そのためパンク修理、輪行の際に手間がかかる
  • 輪行の際、ディスクローターを保護する必要がある
等があげられます。

シマノのコンポーネントは105以上がコンポーネントグループにディスクブレーキが用意されています(105は2018年秋よりリリース予定)。また、ロードレースの世界でもディスクブレーキの使用が認められるようになりました。長い目で見れば、今後はディスクブレーキが主流になっていくと思いますが、リムブレーキも重量面のメリットから無くなることは無いと思います。

続く